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PROJECT 02 : コアバリューズ策定プロジェクト
テルモは現在、160以上の国と地域でビジネスを展開し、28,000名以上のアソシエイト*が「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、日々仕事に取り組んでいる。このような世界中のアソシエイトたちをつなぐ共通の価値観である「コアバリューズ」が制定されたのは2019年4月のこと。さらに2021年9月、その価値観を共有し、さらなる浸透を図るためのエピソードブック「Living Our Core Values」が発行された。世界中のメンバーたちを巻き込みながら進んでいった、コアバリューズ策定プロジェクト、そしてエピソードブック制作プロジェクトの2つを紹介しよう。
*テルモでは、社員のことを「アソシエイト」と呼んでいます。
MEMBER
K.Tさん
ブランド戦略室 課長
人文学系卒
経理部門に携わった後、2004年に広報室へ異動。2019年、新設されたブランド戦略室に。
A.Oさん
広報室 アソシエイトリレーションズ 主任
2008年入社|心理学系卒
知的財産統轄部、秘書室を経て2014年に広報室へ。2015年から約2年間、産休・育休を取得。
CHAPTER /
01
K.Tさん
「コアバリューズ」の策定プロジェクトが始まったのは2018年。M&Aでグループ企業も増え、アソシエイトたちも多様になってきた中で、グループ一体となって、テルモとして新たな価値を医療現場に届けていこうと取り組んでいた時でした。そこでまず取り掛かったのが、世界中のアソシエイトで共有できる価値観の整理でした。
A.Oさん
確かにあの頃は、「テルモとして一つになろう!」という意識が日本ばかりでなく世界中のアソシエイトの間で高まっていたように感じます。本社からグローバルプロジェクトを推進されていましたね。
K.Tさん
そこで私が担当したのが、全体を円滑に推進していくためのコーディネーター役です。コアバリューズは、日本の経営メンバーで出したテルモが大切にしたい価値観をベースに、海外拠点のリーダーたちと、この価値観のどこに共感するか、加えたいことはなにかを議論しながら策定を進めていきました。私は、この中で、コアバリューズを作るために議論を重ねたプロジェクトと、コアバリューズの社内発表に向けて準備するプロジェクトの企画・推進や進行管理を担っていました。
CHAPTER /
02
A.Oさん
そうして誕生した「コアバリューズ」は、テルモのアソシエイトにとって、これまで大切にしてきた価値観が明文化されたものだったので、納得感があるものになったと思います。私自身とても素直に受け入れることができました。
K.Tさん
今回コアバリューズを考えるプロセスで海外のリーダーも交えて議論できたことは、その後の浸透活動にもよい影響があったと思います。
A.Oさん
社内での発表前に、世界各拠点の人事部門と広報部門のメンバーが一堂に会したグローバル会議では、グローバルでの同時発表とその後の展開の準備ができましたね。「コアバリューズ」がどういうもので、人事・広報担当としてはどのような取り組みを行う必要があるか、国や地域、文化の違いを越えて、みんなが同じステージで議論できたのは大きかったと思います。そこにいた全員がワクワクしていました。
K.Tさん
はい。このグローバル会議で、各拠点の代表者と目標に向かって意思統一を図れたことも、このプロジェクトの成功の鍵だったと思います。
CHAPTER /
03
K.Tさん
「コアバリューズ」は策定して終わりというわけではなく、その価値観がアソシエイトにとって大切に思えて仕事に活きていくことが大切ですね。創立100周年記念の企画として制作した冊子「Living Our Core Values」は、今の等身大のアソシエイトたちと、医療従事者、取引先やアソシエイトの家族などのテルモを取り巻く人々の2つの目線からのエピソードを紹介した、100ページに及ぶブック。日本語ばかりでなく4カ国語に翻訳され、全世界のアソシエイトたちに配布されました。 このプロジェクトのリーダーを務められる中で、どのようなことを大切に取り組まれていましたか。
A.Oさん
プロジェクトで、最も時間をかけたのは、最初にコンセプトを決めるところでした。第一に、「コアバリューズ」とは何かを紹介するだけといった教科書的なものにはしたくはありませんでした。「コアバリューズ」は強制するものではないからです。どうしたらアソシエイトみんなが自分のものとして考えられるか……。メンバーと議論を重ねた結果まとまったのが、全世界のアソシエイトたちに語ってもらうエピソードブックというスタイルです。「コアバリューズ」はすでにアソシエイトの中に根付いている。そうであれば、お手本のような姿を描くのではなく、アソシエイトのありのままの想いをエピソードとして綴れば、おのずと「コアバリューズ」が感じられ、読んだアソシエイトにも共感が生まれると思い至ったのです。
K.Tさん
アソシエイトのリアルな声を集めるうえでは、海外の人事・広報メンバーとの連携が欠かせませんでしたね。
A.Oさん
グローバルにテルモの魅力を伝えるため、日ごろから海外の人事・広報メンバーと共に協力し合っている関係が、このプロジェクトにも活きました。企画の概要を伝えて現地のアソシエイトを推薦してもらうときも、どのような話を引き出すといいかのアドバイスをもらうときも、趣旨に賛同して積極的に関与してもらえたので。 そうして行ったインタビューでは、誰もが「コアバリューズ」を大切に思い、自分の信念と重なるところを見つけていました。ときには素晴らしい話に涙ぐんでしまうこともありました。テルモや仲間たちへの愛、情熱、誇り――。話を聞いていて、「テルモのアソシエイトでよかった」と心から思いましたね。
CHAPTER /
04
K.Tさん
このエピソードブックは、アソシエイトたちの間でもとても評判がよいですよね。
A.Oさん
「もっと読みたい」「定期的に発信してほしい」という声をたくさんもらっています。さらに嬉しかったのは「家族も読んで喜んでいます」という声。家族や親しい人たちのテルモへの理解が深まれば、巡り巡ってそのアソシエイトのモチベーションアップにもつながると思うのです。今後も一人ひとりの気持ちを尊重しながら、テルモが好きで、仲間と共に医療に貢献していきたいと思うアソシエイトの支えになる情報発信をしていきたいです。
K.Tさん
日本のアソシエイトから「地球の裏側のアソシエイトが、自分と同じようにコアバリューズに共感していると聞くと嬉しい」との声がありました。このような連鎖は、テルモらしいなと思いますし、テルモの良さだと思います。
私は日頃から「グローバルな視野で物事を考え、ローカルに適した活動を実施すること」が、大事だと思っています。私たちの日々の業務の中でも、海外の各拠点の広報責任者と同じ目標をもって取り組むことは、時に難しいこともありますが、やりがいがあります。各地のCreativityを発揮した活動をグローバルに共有してお互いに学び、成果を高めていく、この循環を様々な取り組みで展開していきたいですね。