TERUMO CORPORATION

Introduction

Current and future of the medical industry

医療業界の現在と未来

世界の医療は今、「パラダイムシフト」の時を迎えています。

高齢化の世界的な進展は、慢性疾患と共生する時間の増加を招き、
高度化する医療と経済性の両立が社会的な課題となっています。
一方で、デジタル、バイオ医薬、ゲノム医療など数々の技術進化が
医療の世界にも急速かつ大きな変化を及ぼしつつあります。

このような中テルモは、医療を通じた社会貢献を実現し続けるために、
2021年に「デバイスからソリューションへ」という新たなビジョンを掲げました。
デジタル化や治療技術のイノベーションといった変化の波を捉え、
それらを自らの競争力に変えていくことで、
医療の進化と患者さんのQOL向上に邁進していきます。

ここでは、テルモが目指すのはどのような世界なのか、
そしてなぜ今このビジョンに取り組むのかご紹介します。

Current and future of the medical industry

テルモが着目する
「医療のパラダイムシフト」

疾病構造が変わる

  • ●世界的な生活水準向上と先進国の超高齢化により急増する慢性疾患との共生
  • ●高齢化に伴う臓器・身体機能の劣化克服

時間軸が変わる

  • ●長期でのQOL改善
  • ●予防と予後のモニタリングの普及
  • ●患者さんごとの疾病管理(ペイシェント・ジャーニー)

技術が変わる

  • ●バイオ医薬品、再生医療、細胞・遺伝子治療などの普及
  • ●ゲノム医療やAIの進化で個別化医療の本格普及

テルモは、いち早くこれらの変化を捉え、
医療現場に寄り添いながら、
新たな道筋をつくることを目指しています。

Current and future of the medical industry

医療のパラダイムシフトに対応すべく掲げるテルモの新たなビジョン

From Devices to Solutions

Solutionとは、英語で「課題などを解決すること」。
医療従事者や患者さんが抱える悩みや課題を解決する、ということです。
そう聞くと「モノづくりをやめてコンサルテーション業に移るということ?」
と思われるかもしれませんが、そうではありません。

医療という領域では、最終的には医療従事者が医療機器や医薬品といった
モノを用いて人に介入して、体の悪いところを治します。
課題解決の方法として重要なのは、「モノかサービスか」ではなく、両方とも大事なのです。
むしろ、メーカーであるテルモとしては、モノが最も大事で、
これまで蓄積してきた強みである「モノづくり」に、さらにこだわっていきたいと考えています。

ただ、現代は「モノの良さだけでは選ばれない時代」。
いかにお客様に価値ある「ソリューション」を提供できているかが問われる時代になっています。

つまり、これまでもテルモは歴史を通じて、
時代ごとの医療への貢献に取り組み続けてきましたが、
今、新たな方向性で医療の現場に
貢献するときが来ているということです。

Current and future of the medical industry

ビジョンを実現するべく3つのカンパニーで重点テーマを設定

テルモは3つのカンパニーで事業を展開し、
医療の現場に価値あるソリューションを届けます。
そして、「デバイスからソリューションへ」というビジョンを実現するために、
各カンパニーで重点施策を設定しています。

心臓血管カンパニー

心臓や血管の病気を中心としてカテーテル治療と外科手術で用いる製品を展開し患者さんの負担の少ない、低侵襲医療に貢献。

  • ■TIS事業(Terumo Interventional Systems)
  • ■ニューロバスキュラー事業(MicroVention)
  • ■カーディオバスキュラー事業(Terumo Cardiovascular)/ハートシート事業
  • ■血管事業(Terumo Aortic)

心臓血管カンパニー
の重点施策

メディカルケア ソリューションカンパニー

患者さんのケアの質向上と医療の変革に貢献し、医療に関わるすべての人に「やさしい医療」を提供。

  • ■ホスピタルケアソリューション事業
  • ■ライフケアソリューション事業
  • ■ファーマシューティカルソリューション事業

メディカルケアソリューション
カンパニーの重点施策

血管・細胞テクノロジー カンパニー

血液と細胞の可能性を最大限に活かすことで、治療効果を高め、未充足ニーズに対するイノベーションを起こして世界の医療に貢献。

  • ■血液・細胞テクノロジー事業(TerumoBlood and Cell Technologies)

血管・細胞テクノロジー カンパニーの重点施策

心臓血管カンパニーの重点施策

Pick up

TIS事業の場合

ラディアル手技の普及、治療領域での成長と
オペレーション基盤の強化

■ラディアル・ファーストの促進
手首から腹部を治療するための血管造影用カテーテルを日本、米国に続き欧州および中国で発売。下肢用サポートカテーテルが米国で認可取得。発売に向けて準備中。

■幅広い治療ソリューションの提供
欧州で薬剤溶出型冠動脈ステントを全面展開。末梢血管領域では、血管内塞栓用コイルシリーズを中国へ導入。

■オペレーション改革
愛鷹工場のスマートファクトリー化が実行フェーズへ。生産自動化、在庫最適化を進め、収益性を改善。ベトナム工場での太陽光発電ノウハウを他工場に展開し、カーボンニュートラルに向けた取り組みも加速。

薬剤溶出型冠動脈ステント

メディカルケアソリューションカンパニーの重点施策

Pick up

ホスピタルケアソリューション事業の場合

■周術期ソリューション
シリンジポンプや輸液ポンプを軸とした薬剤管理のためのデジタルヘルス推進や誤接続などの医療事故低減に寄与する製品・サービスの展開を図り、業務効率化・安全性の向上で病院経営にも貢献していきます。

■感染対策ソリューション
手指衛生や環境整備などのソリューションを拡充して医療従事者の安全に貢献するとともに、アジアをはじめとする海外展開も加速していきます。

■Women’s Healthソリューション
低侵襲手術への寄与が期待されるスプレー式癒着防止材の普及に加え、フルディスポーザブル硬性子宮鏡の販売を開始し、ユニークでサポーティブな製品・サービスの拡大を目指していきます。

■外来化学療法ソリューション
外来化学療法システムを本格的に展開し、通院される患者さんの治療時間を効率化するとともに医療従事者の業務効率化・安全性の向上で病院経営にも貢献していきます。

■リーナル(腎臓)ケアソリューション
腹膜透析の負担軽減と使いやすさを追求した製品の普及を進めるとともに、IoT化で遠隔モニタリングを実現して合併症の予防を目指した新製品の販売を開始します。

フルディスポーザブル硬性子宮鏡

製薬企業向けプレフィルドシリンジ
製剤開発製造受託の挑戦

テルモは2001年から、製薬企業向けプレフィルドシリンジ製剤開発製造受託(現在のCDMO)を開始しました。テルモのCDMOビジネスモデルは、医療機器企業でありながら医薬品も取り扱ってきた知見を最大限に活かし、薬剤の可能性を引き出すデバイス開発、シリンジの成型から、充填、組立、包装まで一気通貫での生産、そして医薬品の早期開発段階から開発計画、薬事申請等の観点で製薬会社をサポートするトータルソリューションを提供することが最大の特長。昨年には、身体に貼り付けて自動的に薬剤を投与することができるオンボディインジェクターという初めてのデバイス開発を完遂し、実生産を開始しています。

血管・細胞テクノロジーカンパニーの重点施策

Pick up

顧客へのコミットメントを新たにする

患者さんの治療成績を向上させ、未充足の医療ニーズに応えるために血液と細胞治療の持つ可能性を追求するという強い願いのもと、安定供給や製品の機能強化、優れた品質の製品・ソリューションで顧客の期待に応えることに注力します。

原料血漿採取システム

細胞増殖システム

オペレーションの変革

グローバルな供給システムの構築と販売能力の向上に継続的に取り組み、製品を顧客や患者さんにとってより身近なものにしていきます。

主に米州の顧客へ製品を供給するコスタリカ工場

原料血漿採取システムのディスポーザブル製品を生産する米国リトルトン工場

展開地域の計画的な拡大

高い未充足ニーズがある地域において、ポートフォリオの全ての製品を展開していきます。

成分採血
システム

血液自動製剤
システム

遠心型血液成分
分離装置

こうした取り組みにより…

医療の多様なニーズへの対応を
さらに加速していくために、
テルモでは、多様な知見・スキルを持ち、
新しいことへのチャレンジを望む、
幅広いキャリア人財の入社を
期待しています。